NURO光を契約すると、ルーター機能が搭載されたONUが無料でレンタルされるため、自分でルーターを用意する必要はありません。ONUさえあれば有線LAN・無線LANのどちらでもインターネットを利用できます。
ただし、自分で購入したルーターがある場合は、NURO光のONUに自前ルーターをつないで使うことも可能です。ONUと自前ルーターを併用すると、電波のカバー範囲が広がってつながりやすくなる可能性があります。しかし、回線トラブルや速度低下の原因となるおそれもあるため、どうしても必要な場合以外は自前ルーターの使用は避けた方が良いでしょう。
本記事では、NURO光で自前ルーターを使ったほうがいい場合とはどのようなケースか、またその際に気を付けるべきポイントについて解説します。
NURO光で自前ルーターが必要になるケース
次のようなケースでは、NURO光のONUと自前ルーターの併用を検討しましょう。自前ルーターを使うことで、電波が届きづらいなどの問題が解決する可能性があります。
- 2部屋以上隔てて接続する・階を隔てて接続する場合
- 接続機器が6台以上の場合
2部屋以上隔てて接続する、またはONUを設置しているフロアとは異なるフロアから接続する場合、NURO光のONUだけではWi-Fiの接続が安定しないことがあります。壁や天井が障害となって電波が遮られてしまうからです。自前ルーターを中継機として使うことで、電波が届く範囲が広がって接続状態を改善できる可能性があるので、試してみてください。
また、パソコンやスマートフォン、ゲーム機器などインターネットに接続する機器の台数が多い場合は、自前ルーターを使う必要があります。NURO光のONUに接続できる機器は有線・無線合わせて5台までです。6台以上の機器を同時に接続したい場合は、自前ルーターを使って接続可能台数を増やさなければなりません。
自前ルーターを使う場合はブリッジモードに設定する
NURO光で自前ルーターを使う場合は、自前ルーターの設定を「ルーターモード」から「ブリッジモード」へ変更しましょう。「ルーターモード」のままで使用すると、NURO光のONUと干渉しあって回線トラブルが起きるおそれがあるからです。
「ブリッジモード」は「APモード」や「ハブモード」とも呼ばれ、Wi-Fi電波の中継だけを行うモードです。ブリッジモードに設定すると自前ルーターのルーター機能は動作しなくなるのでONUとの機能干渉が減り、回線トラブルや通信速度の低下を防げます。
ブリッジモードへの設定方法は機種によって異なるので、自前ルーターの取扱説明書に記載されている「ブリッジモード(APモード/ハブモード)への変更方法」を参考に行ってください。なお、NURO光のONUをブリッジモードに変更することはできないので、必ず自前ルーターの設定を変更するようにしましょう。
自前ルーターを使うときの注意点
ONUと自前ルーターを併用した状態は「二重ルーター」と呼ばれます。二重ルーターにすると、ONUだけで利用した場合よりインターネット接続に関してトラブルが起きやすくなるので注意が必要です。
たとえば、ONUと自前ルーターの間で電波干渉が起きて接続が不安定になる可能性があります。また、ONUと自前ルーターの2か所でデータ変換などの処理が行われることになるため、その分通信速度が遅くなります。また、各ルーターに設定されているセキュリティ機能が二重に働いてしまうおそれもあり、その場合も通信速度の低下につながります。
自前ルーターをブリッジモードに設定したとしても、2台の機器を経由することによるトラブルのリスクは完全になくなるわけではありません。ですから、まずはNURO光のONUのみで接続状況を確認して、不便さを感じた場合のみ自前ルーターを接続するようにしましょう。
最大通信速度はNURO光のONUによって変わる
自前ルーターで性能のいい機器を用意したとしても、通信速度が速くなるとは限りません。NURO光の通信速度は、ONUの性能に依存するからです。
NURO光でONUは5つの機種の中のうち1つがランダムでレンタルされます。5つの機種はそれぞれに性能が異なっていて、より新しい無線LAN通信規格であるIEEE 802.11acに対応している機種は5つのうち2機種しかありません。IEEE 802.11ac対応機種以外を使っている場合は、どんなに性能のいい自前ルーターを用意しても、無線LANの通信速度は速くならない可能性があります。
NURO光のONUの機能や機種ごとのちがい、また古い機種が設置された場合の対応方法についてはこちらの記事で解説しているので、参考にしてください。
https://hikari.netde-pc.jp/17002.html
自前ルーターを購入する際のポイント
自前ルーターを購入する際は、以下のポイントを踏まえて選びましょう。
- 電波が届く範囲を広げられる「ビームフォーミング搭載」
- 複数の端末とつなげたときに速度の低下を防ぐ「MU-MIMO」
- 安定したパフォーマンスを実現可能にする「トライバンド」
- 混雑してない周波数帯に自動接続する「バンドステアリング機能」
- 接続可能なWi-Fi機器数が多い
たとえば、「MU-MIMO」が搭載されているルーターは、パソコン複数台を同時に接続していても回線速度が低下せずにインターネットを利用できます。
また、「バンドステアリング機能」が設定されていれば、異なる周波数帯の中から有利な周波数帯に自動接続されるのです。
高性能なルーターを追加接続することで、NURO光の回線速度を上回ることはありませんが、同じ速度を広範囲に安定して供給できるので、搭載されている機能を重視して購入しましょう。
なお、大手パソコン周辺機器メーカー「バッファロー(BUFFALO)」や国内最大手の電機メーカー「日本電気(NEC)」が提供しているルーターは、ビームフォーミング・MU-MIMO・トライバンドなどの機能が搭載されているのでおすすめです。