ソフトバンクの光回線「ソフトバンク光」のオプションとして、光回線を利用した固定電話サービス「ホワイト光電話」を利用している人も多いと思います。
しかしながら、何らかの理由で、この「ホワイト光電話」を止め、それまで使っていた電話番号を引き続きNTTのアナログ電話で使いたい場合は、「アナログ戻し」と呼ばれる手続きが必要になります。
アナログ戻しとは、電話番号を変えないまま、光電話をNTTのアナログ電話に戻す手続きのことを言います。
パソコンを使わないなどインターネット回線が不要の場合、光回線を解約してアナログ電話に戻すことは節約方法の1つとなります。ここではアナログ戻しによってホワイト光電話からアナログ電話に戻す方法と、そのポイントを解説します。
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ソフトバンク光の電話をアナログ電話に戻すには、条件がある
ソフトバンクのホワイト光電話をアナログ電話に戻すには、2つの条件があります。その条件はどのような内容か、解説していきます。
条件1:もともとの電話番号がNTTで払い出されたものであること
固定電話を利用する会社を変更しても、変更先で同じ電話番号が使える「番号ポータビリティ」を利用するためには、もともとの電話番号がNTTから払い出されていることが条件の1つです。ソフトバンクなどNTT以外の会社から払い出されている電話番号の場合、その番号をNTTのアナログ電話で使うことはできません。また、050から始まるIP電話の場合は、同じ番号で他社へ乗り換えることはできません。
条件2:電話加入権が休止中であるなど、復活手続きが可能なこと
電話番号を変えずにアナログ電話に戻すには、NTTの電話加入権が休止中のままであるなど、復活手続きが可能な状態であることも必要です。復活手続きができれば、ソフトバンク光の電話をNTTのアナログ電話に戻すことができます。
なお電話加入権の利用休止中も、定期的に延長手続きが必要です。例えば利用休止したまま10年以上放置していた場合、電話加入権は解約されてしまいます。この場合は復活手続きができないため、今の電話番号を利用したアナログ戻しはできません。
アナログ電話で同じ電話番号を使い続けられない代表例
ここまで説明した通り、番号ポータビリティを利用して、アナログ電話で同じ電話番号を使い続けられるケースは限られてしまいます。以下に、アナログ電話への変更後、今までと同じ電話番号を使い続けることができない例をまとめました。
BBフォン
光回線を利用した「ホワイト光電話」とは異なり、「BBフォン」は050で始まる番号が付けられたIP電話であり、番号ポータビリティの対象とはなりません。このため、アナログ電話で同じ番号を使うことはできません。
光電話加入時に新たに付与された電話番号
「ホワイト光電話」を申し込んだ時などに、ソフトバンクから新たに付与された電話番号はNTTから払い出された電話番号ではないため、NTTのアナログ電話で同じ番号を使い続けることはできません。この場合、NTTから新しい電話番号が払い出されます。
電話加入権がない場合や、失効している場合
アナログ戻しができるのは、元々その電話の加入権をユーザーがNTTから買っているからです。しかしながら、近年ではNTTでも、電話加入権を必要としない「加入電話・ライトプラン」というものがあります。もともとの電話回線がこのようなプランであった場合は、他社へ移った段階でNTTとの契約は解約されています。ですので、ホワイト光電話を止めてNTTの固定電話を利用する場合には、NTTから新しい電話番号が払い出されます。
また電話加入権の休止手続きをした後10年以上何も手続きをしなかった場合、電話加入権は解約されています。この場合、NTTのアナログ電話で同じ電話番号を使うことはできません。
アナログ戻しの手順
アナログ戻しを行う際には、定められた方法があります。スムーズに手続きを進めるためにも、正しい手順で行うことが重要です。
ソフトバンクではなく、NTTに連絡する
もしソフトバンクのホワイト光電話をNTTでも同じ電話番号で使いたい場合は、番号ポータビリティの手続きを取ることになります。通常の解約ならソフトバンクへ連絡しますが、番号ポータビリティを用いてアナログ戻しする場合は、NTTに連絡してください。電話番号116番にかければ、手続きが可能です。なおソフトバンクへの解約通知はNTTが行いますので、加入者から改めて連絡する必要はありません。
自宅での工事の有無を確認する
アナログ戻しをした後の工事費は、自宅等の電話設備の現状がどうなっているかによって大きく変わります。詳しくは116番への電話でアナログ戻しの申込みをする際に、NTTへ確認することができます。状況によってはNTT局内工事だけでよい場合もあります。
アナログ電話の利用開始と料金の請求
工事が終了すると、アナログ電話の利用が開始されます。以後の電話料金は、NTTから請求されます。なお工事費については、NTTだけでなくソフトバンクからも請求されます。詳細については、この後の項目で説明します。
アナログ戻しにかかる費用
アナログ戻しをする場合は、以下の費用がかかります。NTTだけでなくソフトバンク光での工事も行われることには留意が必要です。このため工事費はNTTだけでなく、ソフトバンクからも請求されます。
NTTに支払う費用
工事費は、局内工事のみで済む場合と、自宅での工事が必要となる場合に分かれます。NTT局内工事のみの場合、工事費は2,000円前後となります。一方、自宅での工事が必要となる場合、工事費用は以下の通りとなります。
- 基本工事費:4,500円以上
- 交換機等工事費:1,000円
- 屋内配線工事費:屋内配線を利用した工事が行える場合は2,400円、新規に配線する場合は4,800円
- ホームテレホンやファクシミリ等を設置する場合は、別途機器工事費も必要
従って屋内配線を利用できる場合では8,000円以上、新規に配線する場合は1万円以上かかります。また基本工事費の金額などによっては、工事費が1万円を超える場合もあります。
ソフトバンクに支払う費用
アナログ戻しの際は、NTTだけでなくソフトバンクでも工事が必要。交換機等工事費として1,000円が必要となります。
なお利用中の電話番号がNTTで発行されたものであって、かつアナログ戻しの際に同じ番号でNTTに乗り換えができない場合は、電話番号を廃止する手数料として2,000円が別途必要です。
アナログ戻しの際の注意点
アナログ戻しをする際には、いくつかの注意点があります。どのような注意点が必要か、解説していきます。
アナログ戻しの工事費は電話回線の状況により、高額となる場合がある
アナログ戻しの場合、NTTの工事費は電話回線の状況により異なります。例えば自宅への訪問工事が必要となる場合でも、屋内に敷設済みの電話回線を利用した工事が可能であれば屋内配線工事費は2.400円となり、工事費が8,000円程度で済む場合もあります。
しかし電話線自体が無い、ケーブルが内部で切れているといった場合は、屋内に電話回線を設置する工事が必要です。このため屋内配線工事費は4,800円となり、工事費は最低でも1万円程度が必要です。
なおNTTが自宅で工事を行う場合、その基本工事費は4,500円以上となっています。基本工事費は工事の状況によって変わる場合があり、結果として工事費が1万円を大きく超える可能性もあります。
このように工事費は各家庭によって変わりますから、NTTの116番に電話のうえご確認ください。
月々の電話料金が光電話よりも高くなる可能性がある
光電話をNTTのアナログ電話に変えると、月々の電話料金が高くなる場合があります。
NTTのアナログ電話とソフトバンクの固定電話の料金は、それぞれ以下の通りとなっています。
基本料金 | 固定電話通話料 | |
NTTの加入電話 | 1,450円~1,700円 | 3分8.5円 (日中に市内通話をする場合) |
ホワイト光電話 (基本プラン) |
467円 | 3分7.99円 |
おうちのでんわ | 500円~980円 | 3分7.99円 |
NTTの固定電話どうしの通話料金は距離や時間帯によって変わるため、上の表の料金が必ずしも適用にはなりません。例えば日中に60km以上離れた地域へ通話をする場合は、10円で45秒しかかけることができません。このため遠隔地へ頻繁に電話する場合は、アナログ戻しをしたことによって通話料金がかなり高くなる可能性があります。
ちなみに、ソフトバンクの「おうちのでんわ」は、LTEネットワークを利用した新しい固定電話サービスです。この「おうちのでんわ」も、光回線を利用した「ホワイト光電話」と同様に番号ポータビリティの対象で、条件に合致すればアナログ戻しも可能です。
まとめ
NTTの電話加入権が有効な場合は、ソフトバンクの固定電話からアナログ戻しを行い、NTTでも同じ電話番号を使い続けることは可能です。ただしアナログ戻しには工事費がかかるほか、基本料金や通話料金が高くなる場合があります。光回線を解約することで節約できる金額と比べて、どちらが得か事前にチェックしておくことが必要です。