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フレッツ光のひかり電話でFAXを利用する方法と注意点

フレッツ光のひかり電話は、FAXを利用できます。追加してオプション等を申し込む必要はなく、ひかり電話があればFAXを使えます。

ただひかり電話では、通信できるFAXの規格が決まっており、対応していない機器や回線だと、正常な通信ができないことがあります。

ここでは、ひかり電話でFAX通信する方法と、通信がうまくいかない場合の対処法を解説します。

フレッツ光のひかり電話は、G3FAXに対応

フレッツ光のひかり電話でFAXを使う条件は、通信規格をG3にすることです。

G3FAXとは、ITU-T (国際電気通信連合)で標準化された国際規格で、アナログ回線に対応しています。最大通信速度は14.4kbpsです。

G3は家庭やオフィスで一般的に使われている規格なので、使っている機器の仕様を確認してみてください。適用回線が「一般電話回線」、伝送速度が14.4Kbps(14,400bps)以下に対応していればOKです。

以下は、G3に対応している機器の仕様例です。

FAXの規格としてはほかに、同じくアナログ回線用のスーパーG3(最大通信速度33.6Kbps)、デジタル回線(ISDN)用のG4(最大通信速度64Kbps)がありますが、ひかり電話で動作保証されているのはG3のみです。

G3に切り替えるときは、FAXの設定で受信・送信スピードを14.4Kbps以下に設定します。

ひかり電話でFAXが使えるしくみ

FAXのしくみはもともと、画像情報を音声情報に変換し、受け取った音声情報を受信側が再度、画像情報に変換してプリントするというものです。

この音声情報(アナログ信号)を、フレッツ光のひかり電話では、さらに音声データとしてデジタル化し、パケット(データを細かく分割したもの)にします。
これは「みなし音声」(VoIP=Voice Over IP)と呼ばれます。

パケット通信は、データを小分けにして送ることができるので、1つの回線で複数のデータをやりとりできるのがメリットです。しかし、パケットデータが送り切れなかった場合、データは途中で消失してしまい、「パケットロス」が起こります。

パケットロス(パケロス)が起こっても、ただの音声データなら音声が途切れる程度で済みますが、FAXの場合はFAXデータそのものが失われ、通信エラーを引き起こすことがあります。

こうしたパケットロスに対応するため、NTTでは優先的に音声パケットを扱う「優先制御」を行い、アナログ電話相当の通信品質を確保しています。しかし、スーパーG3やG4までは保証が行われていません。

ひかり電話でFAXが受信・送信できないときの対処法

では、ひかり電話のFAX通信でエラーが出る場合の対処法を見ていきましょう。

FAXの通信速度を14.4Kbps以下に調整する

前述の通り、FAXの通信速度(伝送速度)をG3のレベルまで落としてあげると、FAX通信がうまくいくことが多いです。

これは、FAX機器本体の設定メニューで「送信スタートスピード」「受信スタートスピード」といった項目から設定ができます。

スーパーG3対応機器は、初期設定で通信速度33.6Kbps(36,600bps)となっていることが多いので、FAXの設定を確認してみてください。

ルーター設定で「割り込み音」を無効にする

ひかり電話で2番号を契約している人の場合、通話の途中で別の電話がかかってきたときに知らせる「割り込み音」が、初期設定で有効になっています。

FAXの通信中に割り込み音が入ると、通信が切断され、正常な通信ができません。

そこで、ひかり電話のルーター設定で、割り込み音の通知を無効にしましょう。

ルーターセットアップ画面へのアクセス方法と設定方法は以下の通りです。

(1) アドレスバーに「192.168.1.1」を打ち込んで接続
(2) ユーザー名:user(※)、パスワード:初回ログイン時に設定したもの、でログイン
(3) 「内線設定」で「割込音通知」のチェックを外す
※WBC V110M、RT-200KIの場合、ユーザー名は「admin」

相手側の回線や機器の状況では通信ができないことも

FAXの送信先がISDN回線を利用し、かつ以下の設定をしている場合は、通信ができません。

・G4FAXに「電話着信のみ許容」の設定をしている
・ターミナルアダプタで「HLCあり」(※)の設定をしている

※「HLC」は高位レイヤ整合性(High Layer Compatibility)の略で、ISDN網内でのみ使用される通信手順です。この場合、アナログ電話からもひかり電話からも通信ができません。

別途アナログ回線を契約する(最終手段)

ひかり電話だとどうしてもFAX通信が不安定だ、という場合、最終手段としてアナログ回線(加入電話)を契約する手があります。
アナログ回線だと、1回線につき1通信が保たれますので、通信が途切れることなく確実に相手に届きます。

しかしアナログ電話の月額料金や通話料はひかり電話よりも高い上、新規契約の場合は36,000円もの「施設設置負担金」を支払わなくてはなりません(※)。ですから、アナログ回線にするのは最終手段です。

※ひかり電話に移行する際に、加入電話を「解約」ではなく「休止」しているなら、10年間は電話加入権が保持されていますので、支払わなくてもOKです。加入権の休止についての問い合わせは、以下の窓口でできます。

・NTT加入電話窓口:局番なしの「116」もしくは「0120-116-000」(9:00~17:00、年末年始除く)

新規契約で施設設置負担金を払いたくないなら、「加入電話・ライトプラン」に入る方法もあります。
これは通常の加入電話よりも月々の料金が250円ほど高くなることと、工事費として2,000円を支払わなくてはなりませんが、高額な負担金を支払わなくて良いプランです。

通常の加入電話と比較すると、(36,000-2,000)÷250=134カ月(11年2カ月)以上の利用で、通常プランの方がお得になります。

ひかり電話を解約する場合には、違約金は発生しません。

ただし、フレッツ光公式や代理店のキャンペーンで、ひかり電話を一定期間利用することが条件のものを利用した場合、期間中にひかり電話を解約すると、違約金が発生することがありますので、申し込み時の窓口に確認しましょう。

おまけ 便利な「FAXお知らせメール」

最後に、ひかり電話ならではとも言える、FAX関連の便利なサービスを紹介します。

ひかり電話のオプションサービスである「FAXお知らせメール」に申し込むと、自宅や会社にFAXがあったことをあらかじめ指定したパソコンや携帯電話のメールに知らせてくれ、パソコンからFAX内容を確認できます。

FAX送信はできませんが、自宅や会社にFAXを持っていなくてもこのサービスを利用可能です。「FAX機能付きの電話は場所をとるので置きたくないけれど受信はしたい」という人には、特に便利なサービスではないでしょうか。

利用料金は、NTT東日本・西日本ともに100円/月です。

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