フレッツ光では、トレンドマイクロ社のセキュリティソフト「ウイルスバスター」をベースにしたセキュリティサービスをオプションとして利用できます。サービス内容はNTT東日本と西日本で異なりますが、いずれもウイルスバスターの機能をフレッツ光向けに調整して作られており、フレッツ光のセキュリティ対策には適したサービスです。
ただし、セキュリティサービスの利用には月額料金がかかるうえ、利用できる端末台数も限られます。ですから、場合によっては市販のセキュリティソフトを購入して利用したほうが、セキュリティ対策にかかる費用をおさえられる可能性があります。フレッツ光のセキュリティサービスと市販のセキュリティソフトのどちらを使うかは、記事内の価格比較を参考にして検討しましょう。
フレッツ光で提供されているセキュリティサービス
NTT東日本では、「フレッツ・ウイルスクリア」、NTT西日本では「セキュリティ対策ツール」と「セキュリティ機能ライセンス・プラス」というサービスがそれぞれ提供されています。いずれのサービスも、市販のセキュリティソフトと異なり定期的な契約更新は要りません。「契約更新を忘れていて、いつの間にかライセンス期限が切れていた」という失敗が起こる心配がないのがメリットです。
東日本エリアでは「フレッツ・ウイルスクリア」を契約できる
東日本エリアでフレッツ光を利用する場合は、「フレッツ・ウイルスクリア」というセキュリティサービスがオプションとして用意されています。
月額基本料金 | 400円(税抜) |
---|---|
利用可能台数 |
3台まで ※4台目以降は1台につき月額150円(税抜)で追加可能 |
対応OS | Windows、mac、Android、iOS |
主な機能 |
・ウイルス対策 ・迷惑メール/詐欺メールの判定 ・脆弱性対策 ・不正Webサイト対策 ・不正アプリ対策 ・保護者による使用制限(ペアレンタルコントロール) ・SNSセキュリティ対策 ・盗難/紛失対策 |
すでにフレッツ光を契約済みの場合、フレッツ光公式サイト「フレッツ・ウイルスクリア お申し込み方法」からフレッツ・ウイルスクリアの申し込みができます。電話で申し込みたい場合は、NTT東日本の電話窓口(0120-116116)に連絡しましょう。
これからフレッツ光を契約する場合は、オプションとしてフレッツ光の契約と同時に申し込みが可能です。Webから申し込む場合は入力フォームの「フレッツ光で利用できる便利なサービスを選ぶ」のところで「フレッツ・ウイルスクリア」にチェックを入れましょう。電話で申し込む場合は、フレッツ・ウイルスクリアを利用したい旨をオペレーターに伝えてください。
西日本エリアでは「セキュリティ対策ツール」が標準装備されている
西日本エリアでフレッツ光を利用する場合は、「セキュリティ対策ツール」というサービスが標準装備されています。そのため、1端末までは無料かつ申し込み不要でセキュリティ対策が可能です。
月額基本料金 | 0円(標準装備) |
---|---|
利用可能台数 |
1台まで ※2台目以降は「セキュリティ機能ライセンス・プラス」で追加 |
対応OS | Windows、mac、Android |
主な機能 |
・ウイルス対策 ・迷惑メール/詐欺メールの判定 ・脆弱性対策 ・不正Webサイト対策 ・不正アプリ対策 ・保護者による使用制限(ペアレンタルコントロール) ・SNSセキュリティ対策 ・決済保護モード |
セキュリティ対策ツールが標準装備されているのは、「フレッツ 光ネクスト」「フレッツ 光ライト」です。「フレッツ 光クロス」ではセキュリティ対策ツールは標準装備されておらず、オプションとしても利用できません。「フレッツ 光クロス」を契約する場合は、自分でセキュリティソフトを購入しましょう。
複数端末のセキュリティ対策には「セキュリティ機能ライセンス・プラス」
2台目以降の端末でもフレッツ光のセキュリティサービスを利用したい場合は、オプションの「セキュリティ機能ライセンス・プラス」に申し込む必要があります。「セキュリティ機能ライセンス・プラス」の月額料金は次の通りです。
- 1~2ライセンス:月額380円(税抜)
- 3~4ライセンス:月額760円(税抜)
- 5ライセンス目以降:月額760円(税抜)に加え、1ライセンスごとに月額209円(税抜)
端末1台(1OS)ごとにライセンスが1つ必要なので、使いたい端末台数に合わせて契約しましょう。セキュリティ機能ライセンス・プラスの申し込みは、「フレッツ光の契約と同時」または「フレッツ光契約後に追加」のいずれでも可能です。詳細はフレッツ光公式サイト「セキュリティ機能ライセンス・プラス」をご確認ください。
各セキュリティサービスの使い方
NTT東日本・西日本いずれのセキュリティサービスも、申し込み後にインストール作業が必要です。フレッツ光の契約後に送付される「お申込内容のご案内」に記載のお客さまIDとアクセスキーが必要なので、書面を手元に準備しておきましょう。
インストール方法の詳細については、以下の公式サイトをご確認ください。
- NTT東日本:「フレッツ・ウイルスクリア ご利用開始までの流れ」
- NTT西日本:「セキュリティ対策ツール ご利用開始までの流れ」
市販セキュリティソフトとの価格比較
セキュリティサービスの利用期間と利用台数によっては、フレッツ光で提供されるものより市販品のほうが安い場合があります。コスパ重視でセキュリティ対策を行いたい方は、フレッツ光のセキュリティサービスを申し込む前に、市販品との費用比較をしてみましょう。
本記事では、フレッツ光のセキュリティサービスと同等の機能が備わっている「ウイルスバスター(ダウンロード版)」を例として、どのような場合に市販品のほうが安くなるのか解説します。
なお、ウイルスバスター(ダウンロード版)を利用する場合は定期的に契約更新が必要です。一方、フレッツ光で提供されるセキュリティサービスは月額制なので、解約しない限り契約は自動的に更新されます。契約更新の手間をなくしたい方や更新を忘れるのが不安な方は、多少割高でもフレッツ光で提供されているセキュリティサービスの利用を検討したほうが良いでしょう。
NTT東日本では2年以上使うなら市販品のほうが安い
フレッツ・ウイルスクリアとウイルスバスター(ダウンロード版)はいずれも1ライセンスで3台まで利用できます。ただし、フレッツ・ウイルスクリアは何年使っても月額400円ですが、ウイルスバスター(ダウンロード版)は長期ライセンスほど割安です。
利用期間 | フレッツ・ウイルスクリア |
ウイルスバスター (ダウンロード版) |
---|---|---|
1年 | 4,800円(税抜) | 5,200円(税抜) |
2年 | 9,600円(税抜) | 9,318円(税抜) |
3年 | 14,400円(税抜) | 12,345円(税抜) |
ウイルスバスター(ダウンロード版)の通常価格は、フレッツ・ウイルスクリアよりも2年版で約300円、3年版で約2,000円安いです。ですから、2年以上使うのであればウイルスバスターの2年版や3年版を購入したほうが費用をおさえられます。
また、ウイルスバスターのダウンロード版は、キャンペーン中に購入すると「有効期限の2カ月延長」や「通常価格から15%OFF」などの特典が付きます。フレッツ・ウイルスクリアについてのキャンペーンはほとんど実施されないため、よりお得に利用できるチャンスがあるという点でもウイルスバスターのほうがおすすめできます。
NTT西日本では利用台数と利用年数によってどちらが安いか変わる
NTT西日本の場合、セキュリティサービスを使いたい端末の台数によってかかる費用が変わります。
利用台数 | 利用料金(税抜) | |
---|---|---|
セキュリティ機能ライセンス・プラス |
ウイルスバスター (ダウンロード版) |
|
1台 |
0円 ※標準搭載のセキュリティ対策ツールを利用できる |
1年版:5,200円 2年版:9,318円 3年版:12,345円 ※1ライセンスで3台まで利用できる |
3台まで |
月額380円 ※1年間:4,560円 2年間:9,120円 3年間:13,680円 |
|
5台まで |
月額760円 ※1年間:9,120円 2年間:18,240円 3年間:27,360円 |
1年版:10,400円 2年版:18,636円 3年版:24,690円 ※ライセンスを2つ購入することになる |
6台以上 | 月額760円に加え、1ライセンスごとに月額190円 |
利用する端末が5台までの場合、利用期間が2年以内であればセキュリティ機能ライセンス・プラス、3年以上利用するならウイルスバスター(ダウンロード版)を購入したほうが、費用をおさえられます。利用予定の期間に応じて、どちらを使うか選ぶと良いでしょう。
利用する端末が6台の場合は、セキュリティ機能ライセンス・プラスを使うと1年間:11,400円、2年間:22,800円、3年間:34,200円かかります。一方、ウイルスバスター(ダウンロード版)は5台までと同じ料金で利用できるので、何年利用してもウイルスバスター(ダウンロード版)のほうが安いです。利用する端末が6台ちょうどならば、利用期間が短くてもウイルスバスター(ダウンロード版)を購入しましょう。
利用する端末が7台以上になると、端末台数によって割安なサービスが変わります。上の表を参考にして、利用予定の台数に必要なライセンス数と費用を確認・比較しましょう。
従量課金制プランやスマホで利用する場合は通信量の増加に注意
フレッツ光の従量課金制プランやスマートフォンでセキュリティサービスを利用する場合は、通信量の増加に注意が必要です。サービスのバージョン更新を自動で行う設定になっている場合、気付かぬうちに通信が発生することがあるからです。インターネット通信量が増えることで、月額料金が高くなったり利用できるデータ量を圧迫したりするおそれがあります。
フレッツ光には、「フレッツ光・ライト」と「フレッツ光・ライトプラス(東日本のみ)」というライトユーザー向けの従量課金制プランがあります。どちらのプランでもセキュリティサービスを利用できますが、通信量の増加にともなって月額料金が上がってしまう可能性があります。手動更新に設定しておけば通信量に余裕があるタイミングで更新することもできるので、通信量が気になる方は設定の変更を検討しましょう。
また、スマートフォン・タブレットでモバイルデータ通信を利用しているときにセキュリティサービスの更新が発生すると、自分で利用できるデータ量が減ることになります。スマートフォンでセキュリティサービスを利用する場合は、Wi-Fi接続時のみ更新ができるように設定を変更しておくと良いでしょう。
ただし、従量課金制プラン・スマートフォンのどちらで利用する場合も、自動更新が推奨されることには変わりありません。セキュリティサービスは常に最新の状態にしておくことが望ましいからです。ですから、更新タイミングを制限するように設定を変更する場合は、バージョンが古くなっていないかこまめに確認する癖をつけましょう。