NTTのフレッツ光回線は、複数セッション機能をもっていることから、1回線に複数のプロバイダで接続することが可能です。
通常状態で2つ、有料オプションサービスで5つまでセッション数を増やすことができます。
ここでは、複数プロバイダのメリットや、複数プロバイダ設定に必要な費用、手順について解説します。
1つの回線を複数プロバイダで利用するメリット
複数プロバイダを利用するメリットは、以下のようなことです。
事業用と個人用でプロバイダを使い分け
自宅で仕事をしている場合などは、インターネット接続を個人用と事業用に分けておくと、何かと便利です。
たとえば、各プロバイダが発行するメールアドレスを個人用と事業用で2つ所有したり、事業用は法人向けプランで利用、個人用は個人向けで利用したりといったことができます。
複数プロバイダの料金は、複数光回線を契約するよりも安いので、費用を抑えることができます。
一方のプロバイダで障害が発生しても、もう一方で接続可能
プロバイダで障害が発生したり、利用者の多い時間帯に速度制限がかけられるプロバイダであったりした場合、プロバイダが1つだけだと、満足にインターネットができないことになります。
しかしながら、複数プロバイダにしておけば、一方のプロバイダに問題が起こった場合も、もう一方で接続することができます。
各プロバイダのいいとこ取りができる
複数プロバイダなら、各プロバイダのメール機能やホームページ機能、セキュリティサービスなどを吟味して、プロバイダを使い分けることができます。
たとえば、メールサービスとしてはメールボックス容量無料でアドレスを4個まで取得できるSo-netを利用し、大事なデータの入ったパソコンのセキュリティに、BIGLOBEのオプションサービス「セキュリティセット」(月額税抜380円で最大3台)を選ぶ、といったことが可能です。
ほか、OCNでは「OCN開通とことんサポート」にて無料で初期設定をサポートしてもらえたり、東京ガスや朝日新聞デジタルと料金のセット割ができたりといったことができます。
各プロバイダの料金等については、以下の記事で詳しく解説しています。
フレッツ光で複数プロバイダを利用するのに必要なもの3つ
では、プロバイダを複数利用する方法を見ていきましょう。
フレッツ光で複数プロバイダを利用するためには、以下の3つが必要です。
・フレッツ光のセッション数を確保(デフォルトでは2。オプション「フレッツ・セッションプラス」(月額料金については次で説明)で個人向けなら5、法人向けなら20まで増やすことが可能)
・プロバイダと契約
・マルチセッション対応ルーター、もしくは2つのルーターとハブ(中継機)
なお、フレッツ光のひかり電話を使っていた場合、ルーターの電源を入れるときとバージョンアップ時にのみセッション数1を使います。それ以外の場合は、セッションを埋めてしまうことはありませんので、オプションなしで2つのプロバイダ+ひかり電話を同時に使うことが可能です。
それでは、複数プロバイダに必要な費用と、設定方法を順に見ていきましょう。
複数プロバイダ利用に必要な費用
複数プロバイダ利用に必要な料金は、以下の通りです(税抜・NTT東西共通)。
セッション数3以上を希望する場合のみ、有料オプションサービスの「フレッツ・セッションプラス」を使ってください。
フレッツ・セッションプラス | 月額料金 | 300円/1セッション |
---|---|---|
基本工事費(※) | 1,000円 | |
交換機工事費(※) | 1,000円/1プロバイダ | |
プロバイダ月額料金 | 各プロバイダにより異なる |
※フレッツ光回線の工事と同時に行う場合、工事費は不要です。
なお、フレッツ・セッションプラスの月額料金は日割り計算が可能ですので、契約するときも解約するときも利用した日数分だけ支払えばOKです。
複数プロバイダの設定方法
複数プロバイダを使う際は、ルーターの設定で新たにプロバイダ(接続先)を追加します。
2つのルーターを使う場合は、それぞれのルーターに接続先を設定し、ONUに繋いだハブ(スイッチングハブ)から分岐させて接続します。
スイッチングハブとは、LANポートがたくさんあるネットワーク中継機で、5ポートなら2,000円程度で手に入ります。
ルーターに「PPPoEマルチセッション」機能がある場合は、ひとつのルーターで複数のプロバイダを利用することが可能です。
その場合の設定方法は以下の通りです。詳しくは各ルーターの取扱説明書を確認してください。
(1) ルーターのセットアップ画面にアクセス・ログイン(※)
(2) 接続先設定でプロバイダから入手したID、パスワードを入力して接続先追加
※代表的なルーターのセットアップ画面アドレスとログイン名・パスワードは以下の通りです。
メーカー | アドレス | ユーザー名 | パスワード |
---|---|---|---|
BAFFALO | 192.168.11.1 | admin | password |
root | (空白) | ||
NEC | 192.168.0.1 | admin | 初期ログイン時に設定 |
I-O DATA | 192.168.1.1 | 初期ログイン時に設定 | |
ELECOM | 192.168.2.1 | admin | 初期ログイン時に設定 |
光コラボ「ドコモ光」でも複数プロバイダが利用できる
光コラボレーションは、フレッツ光回線を各業者が借り受けて、回線とプロバイダをセットにして提供するサービスです。
プロバイダと回線一体型のサービスなので、ほとんどの場合は指定されたプロバイダを利用することになり、他のプロバイダは動作保証外となります。
しかし、「ドコモ光」の場合、So-netやぷらら、OCNをはじめとした26の提携プロバイダおよび提携外プロバイダの中から、複数のプロバイダを選んで契約することができます。
また、ドコモ光にオプション「セッションプラス」はありませんが、フレッツ光のオプションサービスを継続してそのまま使うことが可能です。
ドコモ光の月額料金は、フレッツ光と比べてやや低いといった程度ですが、ドコモスマホとのセット割「ドコモ光パック」が使えるというメリットがあります。
これはスマホの定額パケット代から、シェアパックの場合800~2,500円、通常の場合300~800円が月々割引されるというものです。
家族全員でドコモを使っている場合にはお得なセット割となっています。
-
- 最大20,000円キャッシュバック
- dポイント最大5,000pt還元
- ドコモ光パックで携帯料金から毎月割引