地域密着型のケーブルテレビとして知られているJ:COM。株式会社ジュピターテレコムが運営しています。このJ:COM、CMなどでもお馴染みですが、「J:COM NET」という名称でインターネット回線事業にも参入しています。
北海道・関東・関西・九州地域をカバーするJ:COM。インターネットも使い勝手が良さそうな印象ですが、NTTのフレッツ光と比べて、どちらが優秀なのでしょうか? これから自宅でインターネットに接続しようと考えている人は参考にして下さいね。
フレッツ光とJ:COM、回線設備を比較
最初に、フレッツ光とJ:COM NETの設備の違いを把握しておきましょう。
●フレッツ光:NTT東日本・西日本が運営する光ファイバーを利用したインターネット回線サービス
●J:COM NET:ジュピターテレコムが運営するケーブルテレビ回線を利用したインターネット回線サービス
どちらもインターネット回線サービスですが、まず、利用している回線設備が異なっています。この違いが、通信速度の違いにつながります。
フレッツ光とJ:COMの通信速度を比較
インターネット回線を契約する上で、特に重視したいポイントが通信速度でしょう。サクサク動かないインターネットでは、ストレスが溜まっていく一方ですよね。特に自宅でインターネットを使う仕事などをしている人などは、慎重に選んでいきましょう。
公式で発表している数値は目安でしかない
インターネット回線の公式サイトで「下り最大〇〇Gps」のような言葉を目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。とは言っても、このほとんどがベストエフォート型です。簡単に説明すると「最大限の努力した理論値」ということになります。
つまり、公式サイトで発表している数値は目安でしかありません。また通信速度には契約しているプロバイダや有線でつなぐためのファイバーケーブルなども大きく影響してきます。しかしながら、たとえ理論値であっても、通信速度が高いことに越したことはありません。以下、両者の通信速度を比較してみましょう。
フレッツ光の通信速度は最大1Gbpsでプロバイダが選べる
フレッツ光が公式で発表している通信速度(ベストエフォート型)は上り・下り共に最大1Gbpsです。フレッツ光の大きな特徴のひとつがこの高速通信です。実際に利用している人の口コミなどを確認しても、パフォーマンスの高さを知ることができるでしょう。また、好きなプロバイダを自由に選択できるのも大きなメリットです。
J:COMの通信速度は最大320Mbpsでプロバイダは選べない
一方、J:COMの通信速度はというと、公式サイトでも下り最大320Mbps・上り最大10Mbpsとなっています。J:COMはそもそもケーブルテレビ専門の会社です。インターネット回線会社とは違い、途中まで光回線を使用していても、家から離れたところで高速から低速に切り替わり、同軸ケーブルとなることが理由にあるようです。また、J:COMでは、前述のおとりプロバイダも一括して契約する方式をとっているため、自分の好みのプロバイダを選んで契約することができません。
ただし、最近、J:COMの光サービスも登場しています。「J:COM NET 光 1Gコース on au ひかり」です。関西以外の一部地域の戸建て限定、「auひかり」の提供エリアのみ適用可能となっています(一部大分なども提供あり)。
料金は月額6,500円。一部エリアでは、1Gbpsの回線に専門チャンネル、電話、電気がセットになって月額6,650円(最初の12ヵ月)、通常料金は9,548円のセットプランを提供しています。
参考: J:COM 公式ホームページ
フレッツ光とJ:COMの料金を比較
次に、インターネット回線を選択する上で核となる料金を、初期費用・月額利用料・オプション料金に分けて確認していきましょう。
初期費用
分類 | フレッツ光 (東日本) |
フレッツ光 (西日本) |
J:COM |
---|---|---|---|
契約事務手数料 | 800円 | 800円 | 3,000円 |
回線工事費 | 18,000円 | 18,000円 | 6,000円※ |
合計 | 18,800円 | 18,800円 | 9,000円 |
上の表は、申し込みにかかる初期費用(契約事務手数料と回線工事費)を示したものです。
J:COMでは工事費用が6,000円とありますが、Webからの申し込み限定で1,000円割引になります(※)。ただし、解約時に撤去費用として2,000円が請求されますので、注意が必要です。また、J:COMでは基本工事0円キャンペーンも行っています。
フレッツ光に関してはNTT東西の戸建タイプを例にして表記しています。
参考)
NTT東日本公式ホームページ
NTT西日本公式ホームページ
J:COM公式ホームページ
月額利用料
<戸建てタイプ>(1年目の料金)
分類 | フレッツ光 (東日本) |
フレッツ光 (西日本) |
J:COM |
---|---|---|---|
月額利用料 | 4,600円 | 4,300円 | 4,750円 |
プロバイダ利用料 | 500~1,200円 | 500~1,200円 | 0円 |
合計 | 5,100~5,800円 | 4,800~5,500円 | 4,750円 |
参考:
NTT東日本公式ホームページ
NTT西日本公式ホームページ
J:COM公式ホームページ
<マンションタイプ>(1年目の料金、J:COMは最初の6カ月のみ)
分類 | フレッツ光 (東日本)プラン2※ |
フレッツ光 (西日本)プラン2※ |
J:COM |
---|---|---|---|
月額利用料 | 2,950円~ | 2,850円~ | 3,600円 |
プロバイダ利用料 | 500~950円 | 500~950円 | 0円 |
合計 | 3,450~3,900円 | 3,350~3,800円 | 3,600円 |
※プラン2は同一建物内で16契約以上が見込まれる場合のプラン
参考)
NTT東日本公式ホームページ
NTT西日本公式ホームページ
J:COM公式ホームページ
上記の月額料金は、それぞれの回線で現在主流となっているプラン(NTT東日本は「フレッツ 光ネクスト ギガファミリー」、NTT西日本は「スーパーハイスピードタイプ 隼」、J:COMは「320Mコース」)で比較しています。
また、主要な割引(NTT東日本の場合は、ギガ押し・にねん割・マンスリーポイント、NTT西日本の場合は光はじめ割、J:COMの場合はWeb限定スタート割)を反映した1年目(J:COMのマンションタイプのみ最初の6カ月)の料金になっています。
NTT東日本のギガ押し割は、30ヵ月限定での300円(戸建てタイプ)・200円(マンションタイプ)割引、にねん割は2年契約した場合の月額700円(戸建てタイプ)・100円(マンションタイプ)割引、マンスリーポイントは月額100円割引です。
NTT西日本の光はじめ割では、戸建てで3年目以降4,110円に、マンションで2,680円~に料金がかわります。
J:COMが実施しているのはWeb申し込み限定・適用期間限定のWeb限定スタート割。戸建てタイプでは12カ月間限定、マンションタイプでは6カ月間限定で上記割引価格が適用され、31ch以上のテレビ視聴も可能です。割引適用期間終了後は、戸建て6,648円、マンション5,505円になります。
フレッツ光の場合は、どのプロバイダを選ぶかで500円前後月額料金が変わりますが、表を見る限り、フレッツ光とJ:COMの月額料金にそれほど大きな差はありません。
ただし、J:COMの割引適用期間終了後の料金とフレッツ光の料金を比較すると、31ch以上のテレビ視聴ができるとはいえ、料金的にはフレッツ光に軍配があがります。
オプション
コンテンツ | フレッツ光 (東日本) |
フレッツ光 (西日本) |
J:COM |
---|---|---|---|
ひかり電話 | 500~3,900円 | 500~3,900円 | 1,330円 |
映像サービス | ・フレッツ・テレビ ・U-NEXT ・ひかりTV ・Hulu |
・フレッツ・テレビ ・U-NEXT ・ひかりTV ・Hulu |
32以上・79以上・90ch以上 (3コースから選択) |
セキュリティ | 400円 | 380円~ | 0円 |
安心サポート | 0~3,000円 | 500円~ | 500円 |
参考:
NTT東日本公式ホームページ
NTT西日本公式ホームページ
J:COM公式ホームページ
インターネット回線を利用する上で、オプションを利用したいと考えている人も少なくないでしょう。インターネット回線の代表的なオプションである電話サービス、映像サービス、セキュリティとサポートサービスについてまとめたのが上記の表です。
光回線を利用した電話サービスがひかり電話ですが、J:COMのインターネット回線は光回線ではないのではひかり電話は存在しません。しかしながら「J:COM PHONE」として電話サービス提供しています。
J:COM PHONEの使い方は、ひかり電話と大きな差はなく、電話番号・電話機もそのままで利用することが可能です。料金に関してはフレッツ光のひかり電話なら500円から利用することができますが、J:COM PHONEは1,330円と高めになっています。しかし、J:COM PHONE、あるいはau携帯電話、auおうち電話のいずれかに加入している相手なら、24時間通話無料で利用することが可能です。
なお、映像サービスに関しては、フレッツ光、J:COMともに多彩なサービスが展開されています。
フレッツ光とJ:COMのキャンペーンを比較
「できるだけ月額料金を抑えたい!」という場合、やはり重視したいのがお得なキャンペーンです。これらを上手に活用しながら、コスパの良い快適なネットライフを実現させたいものです。
フレッツ光のキャンペーンはほぼ皆無
実のところ、フレッツ光の公式サイトではキャンペーンを実施していないのが現状です。
数年前まではキャッシュバックなどを積極的に採用していたのですが、ここ最近はそういった情報も聞かなくなりました。その代わり、フレッツ光の代理店では独自のキャンペーンを随時、実施しています。
例として、フレッツ光の代理店である「ネットナビ」を紹介しましょう。
ここでは、法人、SOHO、個人事業主向けに「最大70,000円キャッシュバックキャンペーン」を実施しています。キャンペーンを申し込む場合は、キャッシュバックの適用条件や受け取り時期・方法をチェックしたうえで申し込みましょう。
J:COMでキャンペーンを豊富に実施
一方、J:COMは公式サイトを見ると、映像サービスなどと併せ、さまざまなキャンペーンを行っています。Web限定ではありますが、キャンペーンを利用すれば工事費が無料、月額料金が期間限定でフレッツ光とほぼ同額で利用することができます。また、auユーザーなら、スマホとのセット割も可能です。こちらも、対象エリアや対象プラン、適用条件などをよく確認して申し込みましょう。
まとめ
フレッツ光とJ:COMが提供しているインターネット回線をさまざまな視点から比較してみました。J:COMにはキャンペーンが多く用意されているのが魅力です。とはいえ、月々の利用料金、将来かかるランニングコストを考えるとフレッツ光に軍配があがることがわかります。
もちろん、多チャンネルが見られる映像サービスを優先するなら、ネットや電話と併せ、J:COMを検討する余地はあるでしょう。しかし、これからインターネット接続を検討する場合、J:COMは光回線ではありません。そのため、光回線と比べると、通信速度が遅くなってしまう傾向があることは否めません。これらを踏まえて、契約する際は慎重に選ぶことをおすすめします。
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