一人暮らしの人がインターネット回線を導入する場合、インターネットを利用する目的によって光回線にするか、モバイルWi-Fiにするかで選択が変わります。
オンライン英会話やオンラインゲームを利用する人は、通信速度が高速で安定した光回線。外出先でインターネットを利用する機会が多い人なら、モバイルWi-Fiというように、回線の特徴を活かすことで、インターネットを快適に利用できるからです。
ここでは、インターネットの利用用途ごとに、一人暮らしで光回線を選んだ方がいい人、モバイルWi-Fiを選んだ方がいい人を紹介しているので、確認しておきましょう。
光回線とモバイル回線の特徴を比較
光回線とモバイルWi-Fiにはそれぞれ下記の特徴があります。
項目 | 光回線 | モバイルWi-Fi |
---|---|---|
通信状態 | 光ケーブルなので安定している | 無線なので不安定 |
ping値 | 安定 | 不安定 |
通信制限 | どれだけ使っても制限なし | 一定期間内の通信量によって制限あり |
利用できる場所 | 自宅のみ | 電波が受信できる場所なら利用可能 |
回線工事 | 必要 | 不要 |
光回線は、自宅に引き込んだ光ケーブルを使ってインターネットに接続します。光ケーブルは、1度に通信できるデータ量がモバイルWi-Fiよりも多いため、通信速度が速い傾向があります。また、有線でつないでいるため、通信速度が安定しやすいのが特徴です。さらに、データ通信量は無制限なので、使い過ぎによる通信速度などの制限はありません。
ただし、光ケーブルがない場所ではインターネットが利用できないため、外出先では利用できません。
一方、モバイルWi-Fiは、専用端末が電波を送受信することでインターネットに接続します。無線でつないでいるため、天候や他の電波からの影響を受けやすく、光回線に比べて通信が不安定になる傾向があります。
また、データ通信量は、契約プランにより1か月の通信量が決まっている場合や、無制限プランでも一定期間内の通信量が決められており、使いすぎると通信速度が制限されます。
ただし、専用回線が電波を掴むところであればインターネットにつながるため、自宅以外でも利用可能です。
それぞれのインターネット回線の特徴をもとに、どちらの回線を選んだほうがいいのか確認していきましょう。
光回線とモバイルWi-Fiの月額料金を比較
一人暮らしでインターネットを利用するなら、月額料金はなるべく抑えたいところです。では、光回線とモバイルWi-Fiではどちらを利用したほうが安く利用できるのか、それぞれの目安となる金額は下記のとおりです。
回線 | 月額料金 |
---|---|
光回線 |
戸建て:4,700円~5,500円 集合住宅:1,900円~5,500円 |
モバイルWi-Fi | 4,000円~5,000円 |
※すべて税別
モバイルWi-Fiの月額料金は、月間データ通信量によって変わります。データ量が少なければ、光回線よりも安くなる場合が多いです。
ただし、データ通信量無制限のモバイルWi-Fiと比較した場合、光回線のほうが安くなる場合があります。とくにアパートやマンションなどの集合住宅では、光ケーブルを各世帯で共有するため1世帯あたりの月額料金が安く設定されています。
サービスによって月額料金は異なりますが、モバイルWi-Fiは光回線よりも安く使えるとは必ずしも言えません。そのため、インターネットの用途によって回線を選ぶようにしましょう。
一人暮らしで「光回線」を選んだほうがいい人
インターネットの利用目的が下記に該当する人は、光回線を利用することをおすすめします。
- オンラインゲームをしたい人
- オンライン学習をしたい人
- 動画配信サービスを利用する頻度が多い人
インターネットを使ったサービスによっては、ある程度の通信速度とデータ量が必要です。
一人暮らしだから、という理由だけでモバイルWi-Fiを選んでしまうと、通信速度やデータ通信量が不足し、サービスの利用に制限がでることがあります。
オンラインゲームをしたい人
Nintendo SwitchやPlayStationなどのゲーム機、またはパソコンでオンラインゲームを楽しみたいという人は、インターネット回線に光回線を選びましょう。光回線は、モバイルWi-Fiよりもping値が安定しやすいため、プレイ中にタイムラグが起きる確率が低いからです。
ping値とは、通信データの送受信にかかる時間のことをいいます。値が低いほど送信したデータがゲームに反映される時間が短くなるため、プレイ中のタイムラグが起きにくくなります。
ping値は、インターネット回線の通信環境によって変動するため、常に一定ではありません。とくに、モバイルWi-Fiでは、電波を使いインターネットに接続しているため、天候の変化や他電波の干渉などで受信状況が悪くなる場合があります。
電波状況が悪くなれば、ping値が高くなりやすいため、オンラインゲームのプレイ中にタイムラグが発生しやすくなるのです。
一方で、光回線では物理的な光ケーブルを使ってインターネットに接続するため、モバイルWi-Fiよりも外的な影響を受けにくくなります。その結果、ping値が安定しやすくなるためタイムラグを気にせずオンラインゲームが楽しめます。
オンライン学習をしたい人
オンライン英会話などのオンライン学習(eラーニング)を利用したい人は、モバイルWi-Fiよりも光回線を選ぶことをおすすめします。光回線には、モバイルWi-Fiのような通信制限がないからです。
モバイルWi-Fiには、契約した月間データ通信量を超えると、通信制限がかかることがあります。通信制限がかかった場合、オンライン学習を受けるために必要な通信速度を確保できず、画面が途中で止まったり画質が荒くなったりして、快適に利用することが難しくなります。
オンライン英会話で良く使われるチャットツール「Skype(スカイプ)」では、HD画質のビデオ通話をするために推奨されている通信速度が1.5Mbps以上です。
しかし、代表的なモバイルWi-Fiでは、通信制限がかかると、通信速度の上限が1.5Mbps以下に抑えられてしまうことがほとんどです。
モバイルWi-Fi | 通信速度の上限 |
---|---|
UQ WiMAX | 1Mbps |
Y!mobile(ワイモバイル) | 約1Mbps |
docomo | 128kbps~1Mbps |
一方で、光回線であればデータ通信量による制限などはありません。そのため、レッスン数を気にすることなくオンライン学習を利用できます。
なお、家族や友人とのビデオ通話が多い人も、オンライン学習と同様の理由でモバイルWi-Fiよりも光回線をおすすめします。
動画配信サービスを頻度に利用する人
YouTube(ユーチューブ)、Netflix(ネットフリックス)、Amazon Prime Video(アマゾンプライムビデオ)など、動画配信サービスの利用頻度が多い人は、光回線を選びましょう。
動画配信サービスのコンテンツは、視聴するのに多くのデータ通信量を必要とするため、モバイルWi-Fiだと通信制限にかかりやすいからです。
たとえば、Netflixで映画やドラマを1時間視聴した場合、標準画質で約1GB、HD画質だと約3GBのデータ量が必要です。モバイルWi-Fiの契約内容にもよりますが、月間データ通信量50GBのプランを契約した場合、2時間の映画をHD画質で観ると、およそ8本で超えてしまいます。
通信制限の期間中に、HD画質を視聴するための通信速度が足りなければ、解除されるまで、低画質で視聴するなどの対策が必要です。
そのため、動画配信サービスを常に高画質で楽しみたいなら、光回線を利用したほうが良いでしょう。
一人暮らしで「モバイルWi-Fi」を選んだほうがいい人
インターネットの利用目的が下記に該当する人は、モバイルWi-Fiを利用することをおすすめします。
- 外出先でインターネットを利用する人
- 光回線が利用不可な建物に住んでいる人
- 短期間で引っ越しをする可能性がある人
モバイルWi-Fiは、専用端末が電波を受信できるところであれば、インターネットに接続できるという特徴があります。そのため、光回線の使えない場所でライトにインターネットを利用する人におすすめです。
外出先でもインターネットを利用する人
インターネットをカフェや取引先など、外出先で利用する頻度が高い人は、モバイルWi-Fiがおすすめです。専用機器が電波を受信できるところであれば、インターネットが利用できるため、外出先でのインターネット環境に困りません。
光回線しかない人でも、無料や有料のWi-Fiスポットを利用すれば、外出先でインターネットを利用することもできます。しかし、Wi-Fiスポットから離れるとインターネットが利用できなることや、誰でも利用できるWi-Fiスポットはセキュリティ上の危険があることを考えると、モバイルWi-Fiを利用したほうが良いでしょう。
また、一人暮らしの場合、外出中は自宅に誰もいなくなるため、インターネット環境がなくても誰も困りません。そのため、モバイルWi-Fiを持ち歩けば、スマートフォンのギガも節約できるというメリットもあります。
回線工事ができない建物に住んでいる人
光回線を導入するには、建物の付近の電柱から宅内に光ケーブルを引き込むための回線工事が必要です。寮や下宿、シェアハウスなどで一人暮らしをしていて、「建物に光回線の設備が導入されておらず、家主から回線工事の許可が得られない」という人は、モバイルWi-Fiを利用しましょう。モバイルWi-Fiは、工事不要で利用できるので、建物の環境に影響されません。
モバイルWi-Fiを自宅だけで利用することを考えている人は、モバイルWi-Fiの中でも据え置き型の「ホームルーター」を選ぶとよいでしょう。ホームルーターは、本体が持ち運びできる端末よりも大きいため、外出先で利用するのは不向きです。しかし、その分アンテナの強度が強いため、電波を掴みやすく通信速度が安定しやすくなります。
短期間で引っ越しをする可能性がある人
頻繁に転勤がある人は、モバイルWi-Fiがおすすめです。
モバイルWi-Fiは、専用端末が電波を受信できる地域であればインターネット環境が整うため、引っ越し後でもすぐに利用できるからです。
光回線は、利用するのに回線工事が必要になるため、引っ越し直後だとインターネットを利用できないことがあります。光回線の申し込みから開通までの期間は、通常であれば、2週間から1か月ほどです。しかし、3月~4月の繁忙期になると開通工事の予約が取りづらくなり、2か月以上かかることも珍しくありません。
また、光回線は、引っ越し前の連絡や機器の返却などが必要になる場合があります。モバイルWi-Fiなら引っ越し後の住所変更をするくらいなので、光回線と比較すると手間がかかりません。
そのため、転勤などで頻繁に引っ越しをする人は、インターネットがすぐに使えて、手続きが簡単なモバイルWi-Fiのほうがおすすめです。
一人暮らしにおすすめの光回線
一人暮らしで光回線の導入を検討している人は、スマートフォンの通信キャリアを基準に選びましょう。通信キャリアと光回線をセットにすることで、スマートフォンの月額料金が割引されるセット割が適用されるからです。
セット割が適用される通信キャリアと光回線の組み合わせは下記の通りです。
通信キャリア | 光回線 |
---|---|
ドコモ | ドコモ光 |
ソフトバンク |
NURO光 ソフトバンク光 |
au |
auひかり So-net 光 プラス |
なお、格安SIMを利用している人は、セット割の適用無しで月額料金が安い光回線を選ぶことで利用料金が抑えられます。
光回線ごとのセット割の詳細や、利用料金の詳細は下記の記事を確認してください。
https://hikari.netde-pc.jp/21254.html
モバイルWi-Fiはデータ通信量無制限のWiMAXがおすすめ
一人暮らしでモバイルWi-Fiの利用を検討している人は、WiMAXがおすすめです。
WiMAXは、月間データ通信量無制限で利用できるからです。他社モバイルWi-Fiでは月間データ通信量がプランごとに決まっており、超過すると月末まで通信制限がかかってしまいます。
WiMAXは、3日間で10GB以上のデータ通信を行うと、通信速度の上限が1Mbpsに制限されます。ただし、3日間のデータ通信量が10GBを下回れば、通信制限が解除されます。
また、速度が制限されるのは、超過した日の翌日18時から翌々日の2時ころまでです。そのため、通信制限がかかっていても、対象の時間外であれば、通常の通信速度でインターネットを利用できます。
さらに、WiMAXは、申し込み先のプロバイダが複数あり、それぞれにキャンペーン特典や月額料金が異なります。お得に利用できるプロバイダで契約すれば、他社モバイルWi-Fiよりも利用料金を抑えることが可能です。
WiMAXと他社モバイルWi-Fiの比較と、WiMAXをお得に利用できるプロバイダについては下記の記事を確認してください。
https://hikari.netde-pc.jp/21585.html