フレッツ光とドコモ光では、プロバイダの乗り換えができます。他の光回線は対応しているプロバイダが一つしかないため、プロバイダを乗り換えることはできません。
また、auひかりは対応プロバイダが複数ありますが、契約後にプロバイダだけを変更する仕組みがありません。そのため、auひかりでプロバイダを乗り換えたい場合は、auひかりの回線契約自体を一度解約して、希望のプロバイダで再契約することになります。
プロバイダを乗り換えることで、利用料金が安くなったり通信速度が速くなったりする可能性があります。ただし、こうした効果は必ず得られるとは限りません。また、乗り換えに費用がかかったり、必要なサービスが使えなくなったりおそれもあります。期待できる効果と注意点をきちんと理解したうえで、プロバイダを乗り換えるかどうか決めましょう。
「プロバイダの乗り換え」とは何か
「プロバイダの乗り換え」とは、契約中の回線業者はそのままに、プロバイダだけを変更することです。
回線をインターネットに接続するサービスを提供する事業者を「プロバイダ」と呼びます。たとえば、OCNやSo-net、GMOとくとくBBなどがプロバイダにあたります。インターネットを利用する際には、「回線」と「プロバイダ」の両方の契約が必要です。回線が引かれていても、プロバイダとの契約がなければインターネットは利用できません。
プロバイダは、回線によって契約者が選べる場合と選べない場合があります。フレッツ光のように契約者がプロバイダを選択できる回線では、基本的にプロバイダの乗り換えが可能です。一方、ソフトバンク光やNURO光など対応プロバイダが一つしかない回線では、プロバイダの乗り換えはできません。
プロバイダ乗り換えの流れ
プロバイダを乗り換える場合、具体的な手続き方法などは回線やプロバイダによって異なりますが、大まかな流れは次の通りです。
- 乗り換え先のプロバイダに契約を申し込む
- 乗り換え先のプロバイダから送られてくる契約書類やレンタル通信機器を受け取る
- 受け取った書類をもとに、パソコンや通信機器の接続設定をする
- 設定したパソコンや通信機器を使ってインターネットに接続できるか確認する
- 問題なく接続できたら、乗り換え前のプロバイダを解約する
乗り換え完了までにかかる時間は回線やプロバイダによって変わりますが、たとえばフレッツ光の場合は最短で1週間程度、ドコモ光の場合は最短で10日程度です。
プロバイダ乗り換えで期待できる効果
プロバイダを乗り換えることで、次のような効果が期待できます。
- 利用料金が安くなる場合がある
- プロバイダの乗り換えキャンペーンが受けられる場合がある
- IPv4 over IPv6対応プロバイダに乗り換えると通信速度が速くなる可能性がある
「インターネットの利用料金をおさえたい」「通信速度を速くしたい」といった悩みがある場合、プロバイダの乗り換えは有効な解決策となる可能性があります。ただし、上記の効果が必ず得られるとは限らないため、十分に検討し、注意点も理解したうえで乗り換えましょう。
利用料金が安くなる場合がある
フレッツ光やドコモ光単独タイプ、ドコモ光 ミニを利用している場合は、プロバイダを乗り換えるとインターネットの月額料金が安くなる場合があります。プロバイダ利用料金がプロバイダによって異なるからです。契約中のプロバイダより安い料金で利用できるプロバイダに乗り換えれば、その分毎月の支払い額も減らせます。
ただし、ドコモ光タイプA・タイプBのように基本料金にプロバイダ料金が含まれている場合は、プロバイダを乗り換えても月額料金は変わりません。また、契約中のプロバイダより利用料金が高いプロバイダに乗り換えてしまうと、インターネットの月額料金も当然高くなります。
プロバイダの乗り換えでインターネットの月額料金をおさえたい場合は、まず「契約中のプランの基本料金にプロバイダ利用料金が含まれているか」を確認してください。含まれていない場合は、「プロバイダ利用料金として毎月いくら支払っているか」を調べたうえで、その金額より利用料金が安いプロバイダに乗り換えると良いでしょう。
プロバイダの新規契約キャンペーンが受けられる場合がある
プロバイダを乗り換えると、乗り換え先のプロバイダのキャンペーンを適用できる場合があります。
たとえば、ビッグローブでは、「プロバイダ乗り換え特典」として、契約から23か月間の月額料金が200円割引になるキャンペーンが実施されています。こうしたキャンペーンが適用できるプロバイダに乗り換えれば、より安くインターネットを利用できる可能性があります。
ただし、プロバイダを乗り換えただけの場合は適用できないキャンペーンも多いので、プロバイダの乗り換えでキャンペーンを利用したいときは、適用条件をよく確認しましょう。キャンペーンページの案内が分かりづらい場合は、各プロバイダのサポートセンターに問い合わせると正確な情報が得られます。
IPv4 over IPv6対応プロバイダに乗り換えると通信速度が速くなる可能性がある
通信速度の遅さを改善したい場合は、IPv4 over IPv6に対応しているプロバイダへの乗り換えを検討しましょう。
IPv4 over IPv6とは、通信速度が遅くなる原因の一つである「網終端装置(=回線が混雑するポイント)」を回避して通信できる技術です。IPv4 over IPv6を利用することで回線の混雑を避けられるので、利用者が増える時間帯でも通信速度が落ちづらくなります。そのため、契約中のプロバイダがIPv4 over IPv6に対応していない場合は、IPv4 over IPv6対応のプロバイダに乗り換えることで、通信速度の改善が期待できます。
ただし、通信速度は周囲の利用状況や通信機器のスペックなどにも大きく影響を受けるものです。そのため、「IPv4 over IPv6対応のプロバイダに乗り換えれば確実に通信速度が上がる」とは言い切れません。「プロバイダの設備が弱い」「レンタル機器のスペックが低い」などの要因で、場合によっては乗り換え前より遅くなるおそれもあります。「プロバイダの乗り換えによって通信速度が速くなる保証はない」ということは理解しておきましょう。
「DTIトライアル光」を使えば通信速度の変化を事前に確認できる
フレッツ光を利用中の場合は、プロバイダを乗り換える前に「DTIトライアル光」でIPv4 over IPv6通信を試してみることをおすすめします。
「DTIトライアル光」は、DTI以外のプロバイダを契約している状態でDTIの「IPv6(IPoE)接続サービス」を3か月間無料で利用できるお試しサービスです。DTIの「IPv6(IPoE)接続サービス」は、「IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6 接続方式」を採用しています。そのため、「DTIトライアル光」を利用することで、実際にプロバイダを乗り換えることなく、IPv4 over IPv6通信で通信速度が速くなるかどうかを確認できます。
プロバイダを乗り換えるときの注意点
プロバイダを乗り換えるときには次の点に注意が必要です。
- 契約中のプランの解約金が発生する場合がある
- 利用中のサービスが使えなくなる場合がある
- フレッツ光やプロバイダのメンバーズポイントが失効する
- ひかりTVを利用している人はチューナーの変更が必要になることがある
契約中のプランの解約金が発生する場合がある
プロバイダの乗り換えにともなって契約中のプランやサービスを解約する場合は、解約金が発生するおそれがあります。
- 契約中のプランに乗り換え先のプロバイダが対応していない場合
- プロバイダ独自の割引サービスなどを利用している場合
- auひかりでプロバイダを変更する場合
ただし、契約中のプランやサービスの「更新期間」に乗り換えれば、解約金はかかりません。更新期間は、各社公式サイトのマイページや契約書類、電話窓口などで確認できます。
利用中のサービスが使えなくなる場合がある
プロバイダを乗り換えると、乗り換え前のプロバイダから提供されていたサービスは使えなくなります。該当するサービスには、次のようなものがあります。
- Wi-Fiルーターなど通信機器のレンタル
- プロバイダが提供するセキュリティサービス
- プロバイダが提供するメールアドレス
利用できなくなるサービスのうち乗り換え後も必要なものについては、継続して利用する、あるいは代替手段を用意するといった対応が必要です。
Wi-Fiルーターなど通信機器については、乗り換え前のプロバイダから借りていたものは返却しなければなりません。乗り換え後は、乗り換え先のプロバイダからレンタルするか、自分で購入しましょう。
セキュリティサービスやメールアドレスについては、プロバイダによっては月額料金を支払えば別のプロバイダに乗り換えても利用できる場合があります。乗り換え後も同じサービスを使い続けたい場合は、契約中のプロバイダに確認してみましょう。
なお、セキュリティソフトについては、市販の有料ソフトの購入も検討しましょう。プロバイダが提供するものではなく自分で購入したものを利用すれば、プロバイダ乗り換えのたびに新しいソフトに変えたり利用料金を支払ったりする必要はなくなります。
フレッツ光やプロバイダのメンバーズポイントが失効する
ポイントサービスがあるプロバイダを契約している場合、他のプロバイダに乗り換えると、貯まったポイントが利用できなくなります。また、フレッツ光から光コラボに転用した場合は、フレッツ光のメンバーズポイントが失効します。ですから、ポイントサービスがあるプロバイダを契約している場合や、フレッツ光から光コラボに転用する場合は、乗り換える前にポイントを使いきりましょう。
フレッツ光の場合は、以下の会員サイトにログインするとメンバーズポイントの利用・交換ができます。
- NTT東日本「フレッツ光メンバーズクラブ」
- NTT西日本「CLUB NTT-West」
メンバーズポイントは、電子マネーやカタログギフトなどに交換できます。フレッツ光やプロバイダを長く利用している人は、ポイントがたくさん貯まっている可能性が高いので、乗り換え前に会員サイトにログインして確認してください。
ひかりTVを利用している人はチューナーの変更が必要になることがある
「ひかりTV for○○」のように、プロバイダの名称入りのひかりTVを契約中または契約する人は、チューナー本体の変更が必要です。チューナー本体を変更する前に、録画した番組データをDVDやBlu-rayに保存しましょう。
ひかりTVのチューナー変更方法は、ひかりTV公式サイトのよくあるご質問「新たにチューナーを購入/レンタルしたけど、どうしたらいい?」をご確認ください。
回線別のプロバイダ乗り換え方法
プロバイダを乗り換えるための具体的な手続き方法やかかる費用などは回線によって異なります。フレッツ光・ドコモ光・auひかりについてそれぞれ解説します。
フレッツ光のプロバイダを変更する場合
フレッツ光を利用している場合は、フレッツ光の契約はそのままでプロバイダを乗り換えられます。乗り換えにともなう工事も不要です。乗り換え方法やおすすめのプロバイダについてはこちらの記事を参考にしてください。
https://hikari.netde-pc.jp/11288.html
フレッツ光を利用している場合は光コラボへの転用も検討しましょう
フレッツ光を利用している場合、光コラボへの転用によってプロバイダを変更することも可能です。
「光コラボ」は、フレッツ光の回線を借り受けた事業者がプロバイダサービスと回線をセットで提供する仕組みです。フレッツ光を利用中であれば、「転用」という簡単な手続きで光コラボへ乗り換えられます。
転用は、契約上は回線とプロバイダを両方乗り換える形になるため契約プランなどが変更になります。ただし、同じフレッツ光の回線を利用するため、回線工事は必要ありません。また、プロバイダによってはキャンペーンやスマホのセット割引が利用できるなど、フレッツ光内でプロバイダを乗り換えるよりもメリットが大きい場合もあります。
転用の手続き方法については、こちらの記事をご覧ください。
https://hikari.netde-pc.jp/10819.html
ドコモ光のプロバイダを変更する場合
ドコモ光でプロバイダを変更する場合も、工事は不要です。ただし、ドコモショップか電話窓口でしか手続きができないので、ショップに行ったり電話をしたりする時間を確保しておきましょう。
手続き内容や注意点については、こちらの記事で詳しく解説しています。
https://hikari.netde-pc.jp/18505.html
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auひかりのプロバイダを変更する場合
auひかりは契約時にプロバイダを選べますが、契約したあとはプロバイダを変更できません。プロバイダを乗り換えたい場合は、auひかりの契約を一度解約し、再度契約しなおす必要があります。この手続きにともなって回線工事や工事費用などが発生してしまうため、auひかりでプロバイダを変更するのはおすすめできません。
かかる費用の目安など、詳細はこちらの記事をご確認ください。
https://hikari.netde-pc.jp/22134.html
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