西日本エリアにおけるフレッツ光の契約者は、通常の光回線に加えてモバイルルーターをレンタルすることができます。端末のレンタル料金は月額300円(税抜)で、月額制のモバイルルーターを契約するよりも利用料金をおさえられるのがメリットです。
ただし、外出先でも利用できるモバイルデータ通信を使うにはSIMカードの契約が必要で、端末代とは別にモバイルデータ通信の月額利用料がかかります。また、他社の月額制モバイルルーターと比較すると最大通信速度が遅いため、大容量のデータ送受信には向いていません。想定している用途に対して性能が十分に足りているか、契約申し込み前に確認するようにしましょう。
モバイルルーターをレンタルしたいときは「光ポータブルLTE」を契約する
フレッツ光でモバイルルーターをレンタルしたい場合、「光ポータブルLTE」というオプションサービスを契約しましょう。「フレッツ 光クロス」以外のプランを契約していれば申し込みができます。利用料金は月額300円(税抜) です。
ただし、光ポータブルLTEを契約できるのはNTT西日本エリアだけです。NTT東日本エリアでは「光ポータブル」というサービスが提供されていましたが、2017年5月31日をもってサービスを終了しています。
東日本エリアに住んでいてモバイルルーターを利用したい場合は、家電量販店などで端末を購入するか、WiMAXなど月額制のモバイルルーターを別途契約しましょう。
光ポータブルLTEの特長
一般的な月額制モバイルルーターと異なる点として、光ポータブルLTEには次の2つの特長があります。
- 自宅の無線LANルーターとしても利用できる
- モバイルバッテリーとしても利用できる
自宅の無線LANルーターとしても利用できる
光ポータブルLTEは、フレッツ光のONUと接続することで自宅の無線LANルーターとしても機能します。無線LANルーター専用の機器が不要になるため、通信機器をいくつも管理する必要がなくなります。
自宅の無線LANルーターとして利用する場合は、付属のクレードルに装着してONUと接続しましょう。設定作業などは特に必要ありません。
ただし、無線LAN接続における通信速度は最大300Mbpsなので、それ以上の速さは期待できません。自宅で高速な無線通信を利用したい場合は、より速い通信速度に対応した無線LANルーターを購入またはレンタルで用意したほうが良いでしょう。
モバイルバッテリーとしても利用できる
光ポータブルLTEはモバイルバッテリーとしても利用可能です。USBケーブルで接続すれば、スマートフォンなど他の機器に給電できます。非常時の備えとしてもおすすめです。
また、光ポータブルLTEは、バッテリーが最大8時間(待機時間は200時間)ほど持ちます。たとえば、朝9時に家を出てずっと使い続けても夕方5時頃まで使えるため、ほぼ1日中使えると考えて良いでしょう。外出先で充電の心配をする必要がなく、安心して使えます。
光ポータブルLTEの注意点
光ポータブルLTEを契約する際は、想定外の費用がかかる、使いたい用途に対して性能が足りない、といった問題が起きるのを防ぐために次の3点を確認しておきましょう。
- 外出先で利用するにはSIMカードが必要
- 高速通信は期待できない
- 利用開始から2年未満で解約すると解約金がかかる場合がある
外出先で利用するにはSIMカードが必要
光ポータブルLTEのレンタル端末単体では通信ができないため、外出先で利用する場合にはSIMカードが必要です。SIMカードの契約にともなって、光ポータブルLTEの端末料金(月額300円(税抜))とは別にモバイルデータ通信サービスの月額利用料が発生します。端末さえあれば外出先でインターネットに接続できるわけではないので、注意してください。
フレッツ光では、光ポータブルLTEの端末とSIMカードをセットで契約できる「フレッツ光モバイルパック LTE」も用意されています。SIMカードの契約についてよく分からないという方は、フレッツ光モバイルパック LTEを利用すると良いでしょう。
安く利用したい場合は格安SIMを契約する
光ポータブルLTEでレンタルされるのはSIMフリー端末なので、ドコモ、au、ソフトバンクや海外の通信会社のSIMカードを全て活用できます。通信料金を出来るだけおさえたい方は、格安SIMを使えば維持費の削減が可能です。
たとえば、ドコモ回線の格安SIMであるOCNモバイルONEを110MB/日コースのデータSIMで契約するなら、月額900円(税抜)です。つまりOCNモバイルONEの110MB/日コースと光ポータブルLTEのレンタル料を合わせて月額1,200円(税抜)で、モバイルルーターを活用できます。
月額制モバイルルーターの中でも月額料金が安いWiMAXの場合、毎月の利用料金は3,000円程度かかります。ですから、光ポータブルLTEはSIMカードの契約分を考慮しても月額制モバイルルーターより安い料金で利用できると言えるでしょう。
高速通信は期待できない
光ポータブルLTEの端末でモバイルデータ通信を使った場合、最大通信速度は下り100Mbps、上り37.5Mbpsです。フレッツ光の標準的なプランの回線(最大通信速度1Gbps)と比べると、最大でも10分の1程度の速度しか出ないため、高速な通信は期待できません。大容量のデータ送受信や高画質な動画視聴などには向いていないと言えるでしょう。
また、光ポータブルLTEの通信速度は、利用するSIMカードによっても変わります。SIMカードのスペックによっては100Mbps以下の通信速度しか出せない場合もあるので、注意しましょう。
利用開始から2年未満で解約すると解約金がかかる場合がある
光ポータブルLTEを利用開始から2年未満(利用開始月から24か月目の末日まで)で解約した場合、解約金7,000円(税抜)が請求されます。解約する場合は、利用期間を事前に確認するようにしましょう。
なお、解約金がかかるのは、フレッツ光の契約を継続して光ポータブルLTEだけを解約する場合です。フレッツ光の解約と同時に光ポータブルLTEを解約する場合は、解約金はかかりません。
光ポータブルLTEの申し込み方法
光ポータブルLTEは、NTT西日本のフレッツ光公式サイト「光ポータブルLTE」から申し込みが可能です。
公式サイト上で申し込み手続きをすると自宅に確認の電話がかかってきます。電話対応の後に自宅へ端末が送られてくるので、受け取ったらSIMカードを入れて初期設定を行い、利用を開始しましょう。