フレッツ・ADSLは、2023年1月末でサービスの提供を終了します。それに伴いNTTは光回線を利用した「フレッツ光」への移行を推進していて、2019年1月31日までにフレッツ光への移行を申し込むと、回線品目変更の初期工事費や、ひかり電話への移行工事費が無料になります。しかし実は、ソフトバンク光もフレッツ・ADSLからの移行が無料でできるキャンペーンを実施しています。ソフトバンクスマホを利用している方はソフトバンク光へ移行したほうが、スマホとのセット割を適用でき、料金が安くなるのでおすすめです。ではそれ以外の方はフレッツ光でいいのでしょうか?
この記事では、フレッツ・ADSLとフレッツ光回線のサービスの違いについてと、切り替えるならどの回線がおすすめなのか解説します。
フレッツ・ADSLは廃止、光回線への移行が必要
フレッツ・ADSLはアナログ回線を利用しサービスを提供しています。しかしこのアナログ回線は廃止され、2024年までに光回線へ完全移行する予定です。それに伴いフレッツ・ADSLの提供を終了し光回線への移行を進めています。
アナログ回線より光回線のほうが通信速度が速い
アナログ回線と光回線の違いは主に通信速度にあります。光回線を利用しているフレッツ光の最大通信速度1Gbpsに対して、アナログ回線のフレッツ・ADSLは47Mbpsとあくまで理論値ですが、フレッツ光では、フレッツ・ADSLの約20の通信速度が出ます。
また、フレッツ・ADSLは距離により通信速度が遅くなる上に、電磁波などの影響を受けやすいため通信速度が遅くなるリスクが高いと言えます。一方フレッツ光は、距離による通信速度への影響はなく、電磁波の影響も受けにくいためフレッツ・ADSLに比べ通信速度が遅くなるリスクが低いと言えます。
フレッツ光 | フレッツ・ADSL | |
---|---|---|
最大通信速度 | 1Gbps | 512kbps~47Mbps |
電磁波の影響 | 受けにくい | 受けやすい |
基地局からの距離による速度の低下 | ない | 距離があると通信速度が低下する |
フレッツ光の月額料金は、フレッツ・ADSLと比べて少し高い
フレッツ・ADSLとフレッツ光の「インターネット+電話」の料金を比較すると、フレッツ光のほうが若干料金が高くなります。
<NTT東日本>
フレッツ・ADSL | フレッツ光 | |
---|---|---|
最大速度 | 512kbps~47Mbps | 100Mbps~1Gbps |
月額料金 | 2,340~2,520円 | 戸建て:4,400~4,600円 マンション:2,650~3,950円 |
接続機器レンタル料 | 490~540円 | 750円 |
電話サービス | 固定電話(月額1,700円) | ひかり電話(月額500円) |
電話+ネット合計 | 4,530~4,760円 | 戸建て:5,650~5,850円 マンション:3,900~5,200円 |
<NTT西日本>
フレッツ・ADSL | フレッツ光 | |
---|---|---|
最大速度 | 512kbps~47Mbps | 100Mbps~1Gbps |
月額料金 | 2,700~2,980円 | 戸建て:4,110~4,300円 マンション:2,680~3,950円 |
接続機器レンタル料 | 490円 | 250円 |
電話サービス | 固定電話(月額1,700円) | ひかり電話(月額500円) |
電話+ネット合計 | 4,890~5,170円 | 戸建て:4,860~5,050円 マンション:3,430~4,700円 |
※フレッツ光の月額料金は、にねん割(東日本)、光はじめ割(西日本)等の割引を適用
フレッツ光への移行が無料でできる!
フレッツ・ADSLからフレッツ光への移行に伴いフレッツ光では、2018年10月1日~2019年1月31日の期間に申し込んだ場合に限り、本来回線の移行にかかる回線工事費や、電話回線の移行工事費を無料にする割引を実施しています。この期間内を過ぎると以下の工事費が発生します。
フレッツ・ADSLからフレッツ光への切り替え手続き方法
フレッツ・ADSLからフレッツ光への切り替え時の流れは、以下の通りとなります。
(1) フレッツ光の提供エリアかどうか確認・申し込み
(2) 折り返しNTTからADSL解約の確認連絡が来る
(3) ADSLプロバイダへ解約の連絡・光プロバイダ申し込み
(4) フレッツ光開通工事(このとき同時にモデム等、ADSLの機器を回収)
(1) の提供エリア確認は、NTT東西の公式サイトでできます。
・NTT東日本(https://flets.com/app2/cao/prefselect/index/)
・NTT西日本(https://flets-w.com/cart/)
フレッツ光を申し込むと、NTTから自動的にフレッツ・ADSLの解約について連絡がされます。
(2) フレッツ光への移行であればフレッツ・ADSLの解約金はかかりません。
(3) のADSLプロバイダ解約時、プロバイダ月額料金は日割り計算ではなく、解約した月まで月額料金が請求されます。その代わり、フレッツ光のプロバイダ契約では、開始月やそれ以降の一定期間、月額利用料が無料になるサービスが展開されています。
(4) ADSL解約時は通常、モデム等の接続機器を返却する必要があるのですが、フレッツ光への切り替えの際は、光回線開通工事のスタッフが一緒に持ち帰ってくれます。
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フレッツ光でフレッツ・ADSLと同じプロバイダを利用できる
フレッツ・ADSLとフレッツ光で同じプロバイダを使う場合は、「コース変更」となります。あらかじめ、現在使っているプロバイダがフレッツ光でも使えるか確かめておきましょう。
プロバイダを変更しない場合、プロバイダのメールアドレスもそのまま使えます。
フレッツ光のプランはどれを選ぶべき?
フレッツ・ADSLの場合と同様、フレッツ光も最大速度によってプランと料金が変わります。
以下では、戸建てタイプを例にとり、各プランの特徴を簡単にまとめています。
<フレッツ光ネクスト…定額制>
プラン名 | 最大速度 | 月額料金(※1) |
---|---|---|
ギガスマート(東日本) スーパーハイスピードタイプ隼(西日本) |
1Gbps | 4,600円(東日本) 4,110~4,300円(西日本) |
ハイスピードタイプ | 200Mbps | 4,400円(東日本) 4,110~4,300円(西日本) |
ファミリータイプ | 100Mbps |
<フレッツ光ライト/ライトプラス…2段階定額制>
プラン名 | 最大速度 | 月額料金 |
---|---|---|
フレッツ光ライト | 100Mbps | 2,700~5,700円(東日本) 3,200~6,000円(西日本) |
フレッツ光ライトプラス(※2) | 3,700~5,400円 |
※1.NTT東日本は「にねん割」(1Gbpsの場合は「ギガ推し!」も)、NTT西日本は「光はじめ割」を適用。それぞれ2年ごとの自動契約更新を前提とした割引であり、更新月以外の解約ではそれぞれ9,500円、10,000円の違約金がかかる。
※2.NTT東日本の戸建てのみ。
特に重要なのは定額制のフレッツ光か、2段階定額制のフレッツ光ライトかのいずれを選ぶかです。
フレッツ光ライトは(NTT東西で多少変わるものの)、おおむね月の通信量が200~320MBで1段階目定額(最低料金)、1.2~1.3GBで2段階目定額(最高料金)となります。
しかし、スマホ等を利用している人はわかると思いますが、最高料金に達する通信量1.2GBなど、すぐに使ってしまいますよね。
定額制のフレッツ光ネクストだと、割引を使えば最大1Gbpsのプランでもそれほど高くはなく、通信量も気にしなくて済みますので、ほとんどネットを使わないという人以外、フレッツ光ネクストをおすすめします。
ソフトバンク光もフレッツ・ADSLからの移行が無料
実は、ソフトバンク光もフレッツ・ADSLからの移行が無料でできるキャンペーンを実施しています。
ソフトバンク光には、「おうち割光セット」というソフトバンクスマホとセットで最大1,000円割引になるセット割引があるので、ソフトバンクスマホを利用している方はソフトバンク光がおすすめです。
フレッツ・ADSL東日本を利用している方はこちら
フレッツ・ADSL西日本を利用している方はこちら
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固定電話とひかり電話のメリット・デメリット
次に、アナログ回線の固定電話とフレッツ光のひかり電話の料金、メリット・デメリットを比較してみましょう。
ひかり電話 | アナログ回線のNTTの加入電話 | |
---|---|---|
基本料金 | ◎(500円) | △(約1,700円~) |
通話料金(国内の固定電話への通話の場合) | ◎(全国一律で 8円/3分) | △(8.5円~160円/3分) |
音質 | ◎(クリアな傾向) | △(小さなノイズが入りやすい傾向) |
停電時の使用 | △(基本的には不可能・ただし充電した光モバイルバッテリーに繋げば可能) | 〇(電源が不要なタイプの電話機なら可能) |
ひかり電話は通話料が安く、電磁波の影響を受けにくいのでアナログ回線に比べ音質がクリアです。しかしひかり電話は停電時には利用できないのがデメリットです。一方固定電話(NTT加入電話)は、停電時にもNTT電話局から発せられる電圧によって通信ができるので、停電時にも利用したい方は、アナログ回線を残しておくのも手です。
加入電話からひかり電話にする際は、番号ポータビリティを使えば、固定電話の番号をそのまま移行して利用することができます。
ひかり電話へ番号ポータビリティする際には、もとの加入電話は利用休止か契約解除する必要がありますが、基本的に休止をおすすめします。
理由は、今後フレッツ光から別の光回線に乗り換えて番号ポータビリティする際、一時的に加入電話を復活させる必要が出てくるからです。
利用休止は最大10年間、NTTに連絡をすればそれ以上の期間、加入権を預かってもらうことができます(窓口は0120-116-0000、9:00~17:00、年末年始除く)。
まとめ
これまでに見てきたフレッツ・ADSLとフレッツ光の特徴を踏まえ、フレッツ光に切り替えるべきかどうかを検討してみましょう。
以下の条件にあてはまる方は、当面の間は「フレッツ・ADSL」のままで良いでしょう。
・現在のインターネットの通信速度・料金に満足している
・アナログ回線の固定電話を使い続けたい
・フレッツ光の提供エリア外である
以下の条件にあてはまる方は、「フレッツ光」に移行することをおすすめします。
・現在のインターネットの通信速度に満足していない
・大容量のデータをダウンロード・アップロードすることがある
・固定電話をひかり電話に移行して、停電時には使用できない可能性があっても構わない
・クリアな音声で電話をしたい
・「フレッツ・ADSL」に再び加入できなくても構わない